コラム

スポーツパフォーマンスに影響を与える要因は?外的内的要因について徹底解説


スポーツにおいて、高いパフォーマンスを発揮するには、外的要因と内的要因についての理解が欠かせません。

プロスポーツの現場で活躍する選手達は、より高いパフォーマンスを発揮するために、外的要因と内的要因を調整しています。外的要因と内的要因について詳しく確認していきましょう。

スポーツパフォーマンスとは

日頃のトレーニングの成果を余すことなく発揮することが、スポーツパフォーマンスにおける理想です。しかしほとんどのスポーツ実践者が感じているように、トレーニングのすべての成果が試合などの現場で発揮できるとは限りません。

そこで役立つのが、外的要因と内的要因という考え方です。ここでは食事や音楽といった外側から影響を与えることを「外的要因」、注意力やリラックスなどの内面と関係する影響を「内的要因」と定義して、説明していきます。

スポーツパフォーマンスに影響を与える要因

外的要因は、自分以外のスポーツパフォーマンスに影響を与えるもののことを意味します。外部環境をコントロールすることで、より良いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

食事

スポーツパフォーマンスに影響を与える大きな要因の一つが食事です。食事は何を食べるかという栄養面の配慮が大切であることはもちろん、どのようなタイミングでどのような栄養を摂取するかという管理も影響を与えます。

例えば、試合などの重要な日にはエネルギーを筋肉や肝臓に貯えておくことが大切です。そのために、前日の食事では脂質を控えめにし、糖質を含む炭水化物を多く取ると良いでしょう。食後から就寝までの間は3時間以上あけて深い睡眠をとり、当日は体を動かす3時間から4時間前に食事を済ませておくといった工夫も効果的です。

〈参照〉試合の日の食事/株式会社明治

心理(メンタル)

スポーツ心理学において、メンタルトレーニングはとても重要なものとされています。試合会場へ向かう途中に巻き込まれた渋滞などでスポーツパフォーマンスを低下してしまった経験がある人も少なくないでしょう。試合の結果や怪我、不調といった変化させることができない外的な課題に直面したときの対処に役立ちます。

音楽

音楽がスポーツパフォーマンスに良い影響を与えることが、研究により明らかになっています。音楽を耳にしながらスポーツを行った場合のほうが、音楽を聞かずにスポーツをした場合よりもわずかに良いパフォーマンスを発揮する可能性が高いと発表する研究資料があるのです。

効果には個人差があるとされているものの、音楽により不安が消えるのではないかと考察されています。無音の状態では精神が不安を生みパフォーマンスが低下するが、音があることによって不安が軽減する可能性があるとされました。

ただし試合中はマナーの問題などがあるので、練習中のパフォーマンス向上や試合前のリラックスに活用することが現実的でしょう。

〈参照〉音楽がスポーツ・パフォーマンスに与える影響

ストレッチ

ストレッチにはいくつかの種類があり、目的に応じて使い分けることで、スポーツパフォーマンスの結果を左右するとされています。適度なストレッチはパフォーマンスを向上するという傾向が見られるものの、過剰なストレッチはパフォーマンスが下がるという見解もあるため、目的や状況に合わせて取り入れるべきです。

例えばストレッチには「反動的」を意味するバリスティックストレッチ、「静的」を意味するスタティックストレッチがあります。スポーツ現場では運動前のスタティックストレッチが頻繁に利用されているものの、スポーツ科学の研究においてはスタティックストレッチはマイナスの効果があるという意見もあるのです

スポーツパフォーマンスを向上させるメンタルトレーニング例

メンタルトレーニングは、スポーツパフォーマンスで良い成果を発揮するために大切な内的要因です。ここで紹介するメンタルの動きを日頃から意識することで、集中力や自信を身に付けていきましょう。

注意力のコントロール

注意力には、「内的注意力」と「外的注意力」があります。状況に応じて、焦点を使い分けることで、高いスポーツパフォーマンスを発揮することができます。

内的注意力とは、自身の内側となる心理面に焦点を絞ることです。例えば、その瞬間に考えていることや感じていること、思考と対話している場面では、内的注意力が発揮されています。

外的注意力とは、自身の外側で起きていることに焦点を絞ることです。例えば、気温の変化や風向き、周囲の人が話す声や音などがそれに当たります。

自己肯定

自らを肯定することで、モチベーションや集中力を高めることができます。現実の状況に左右されず、自身を肯定する言葉を事前に用意しておきましょう。その際、使用する言葉は論理的で現実味のある肯定的な文章を使うことが効果的であるとされています。

例えば、これまでに積んできたトレーニングを振り返り「3カ月毎日20分の基礎練習を欠かさずに行ってきたから実力を発揮できる」などの言葉を書き出し、いつでも自信を引き出せるようにしておきましょう。

リラックス

スポーツを実践する場面で、ストレスや不安を感じることは自然です。ですが、プレッシャーがあまりに強いと思うようなスポーツパフォーマンスを発揮することはできません。そこで、リラックステクニックを使用することで、精神および身体を和らげることができます。

例えば手軽にできるテクニックが深呼吸です。息を吐ききり、鼻からゆっくりと息を吸い、息を止め、ゆっくりと口から息を吐き出します。吸う、止める、吐く、これらの動作を行う秒数になぞらえて「4-7-8呼吸法」と呼ばれる呼吸法です。

ゴール(目標)を明確にする

最終地点を明確にすることで、成し遂げるべきことが明確になります。その結果、目の前にあるスポーツに集中しやすくなるでしょう。試合だけでなく、トレーニングの場面でも、全体像を把握してゴールを決めることで、より良いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

まとめ

スポーツパフォーマンスにおける外的要因と内的要因、およびそれらをコントロールして良い結果を出すためのトレーニングについて説明しました。身体の外側で起こる外的要因、自身の内面と関係する内的要因、それぞれを適切に扱うことで、トレーニング成果を存分に発揮していきましょう。