コラム

スポーツパフォーマンスの測定方法と注意点について徹底解説


スポーツパフォーマンスの測定は、より良い成果を出すことをサポートします。測定結果をもとに改善を繰り返すことで、今よりもさらに良好なスポーツパフォーマンスを発揮することができるためです。ただし、分析方法を間違えてしまうと、誤ったトレーニングを積んでしまい、思うような結果につながらない場合もあります。

ここでは、スポーツパフォーマンスの測定方法と注意点について詳しく解説します。

スポーツパフォーマンスとは

スポーツパフォーマンスを一言にまとめると「運動の数値化」です。運動の結果を数値化し、詳細に分析することで、より高いパフォーマンスを発揮するためのヒントを得ることができます。スポーツ科学の発展により、運動能力の因果関係を把握したり、競合となる選手の強さを裏付けるものを解析したりすることが容易になりました。

数値活用を取り入れることで、スポーツパフォーマンスがどのような仕組みによって発揮されるものであるか、分析することが可能です。

スポーツパフォーマンスの測定方法

「走る」「飛ぶ」などは、スポーツの基本動作です。いくつかの基礎的な動きを最新の計測機器を用いて測定することで、現状の強みと今後の課題を確認できます。測定方法はここで紹介するものに限定されませんが、代表的な具体例を紹介するので、スポーツパフォーマンスの測定について理解するための参考にしてください。

10mスプリント

速く走る能力を測定する方法が10mスプリントです。タイムは最もわかりやすい数値ですが、測定できるデータはそれに限りません。初速や最高速度、歩数や左右の加速状況を測定することで、全身の協調と操作の能力を把握できます。

測定機器には、「ワイヤレス光電管WITTY – ウィッティー」などがあります。

ジャンプ力

加速度計測装置を用いることで、2種類のジャンプ能力を調べることができます。

「高く跳ぶジャンプ力」と「連続ジャンプ力」を測定し、トレーニングすべき能力を明確化します。高く跳ぶジャンプ力を計る垂直跳びでは、ジャンプ高さ、筋力、パワー、スピードの数値を測定することが可能です連続ジャンプでは、ジャンプ高さ、接地時間、バネ指数、スティフネス(剛性)を測定します。

測定機器には、「Myotest Sport」などがあります。

敏捷性

素早い方向転換の能力が敏捷性です。切り返す動作を行うことで、短い距離でのブレーキをかける能力と加速する能力を測ります。

測定機器には、「ワイヤレス光電管WITTY – ウィッティー」などがあります。

回旋力

メディシンボールを使い、投げる能力を数値化します。飛距離に限らず、スピード、筋力、パワーを測定します。

スポーツパフォーマンスを測定して得られる効果

スポーツパフォーマンスを数値化することで、どのような能力が優れているのか知ることができます。例えば、走るという動作に着目した際、走行タイムだけでは優れている点を見つけ出すことは困難です。しかし測定器を使い、パフォーマンスを数値化することで、「ジャンプ力が優れている」や「初速が優れている」といった具体的な観点で強みを見つけることができます。

また、スポーツパフォーマンスの測定に注目すべき理由は、必要なトレーニングを明らかにできることにあります。正確に運動能力を測定することで、鍛えるべき能力を見つけることができます。そして、科学的根拠に基づいたトレーニングを行い、競技力が向上することができるのです。

スポーツパフォーマンスの測定を行う団体

スポーツパフォーマンスの測定には、高性能な測定機器が必要となります。しかし購入して使用することは難しいでしょう。スポーツパフォーマンスの測定を行う団体を利用することで、測定機器を所有していなくても、正確なデータを取得することができます。

ここでは先ほどの「2 スポーツパフォーマンスの測定方法」で紹介した測定方法を取り入れている2つの団体を紹介します。

IPAS

一般社団法人スポーツパフォーマンス分析協会(IPAS)」はInstitute of Performance Analysis in Sportという名前のとおり、アスリートや指導者、研究者などをサポートする団体です。

IPASではスポーツパフォーマンス分析だけでなく、「スポーツパフォーマンス分析士」の認定を行っています。スポーツパフォーマンス分析士は、スポーツパフォーマンスの計測と測定を行い、細かく科学的に分析する手法と知識を身につけるための資格です。過去のセミナーや活動内容をブログで紹介しているので、スポーツ科学について情報を集めたい初学者にも役立ちます。

SPORENGTH

SPORENGTHは、株式会社スポレングスが運営するスポーツパフォーマンス測定・分析の実施、スポーツ科学の訴求、スポーツパフォーマンス分析後のトレーニング指導、スポーツコンサルティングを主な業務内容とする企業です。

SPORENGTHはスポーツパフォーマンスの測定による成長サイクルの提案を行っています。「スポーツ測定・分析の実施」、「分析後のトレーニング指導」、「スポーツコンサルティング」、「スポーツ科学の推進」というサイクルを提案しています。

「スポーツ測定・分析の実施」では主に10mスプリント、敏捷性テスト(プロアジリティ)、ジャンプ力・バネ力測定、回旋パワーテストの測定とその結果の分析を行います。「分析後のトレーニング指導」では測定の分析結果に基づいて強みと課題を通知し、自宅でできるトレーニングを提案します。「スポーツコンサルティング」ではハイテク機器の導入だけではカバーできないコンサルテーションサポートを行います。「スポーツ科学の推進」で科学的な視点に基づく分析を現場に普及し、スポーツ界の発展に貢献します。そして再び「スポーツ測定・分析の実施」へ回帰し、サイクルを繰り返すことが特徴です。

まとめ

スポーツパフォーマンスの正確な測定を行うことで、運動能力を数値化できます。スポーツパフォーマンスの測定と分析の実施をしている団体に依頼することで、測定機器を所有していなくても、正確なデータを得ることが可能です。

数値に基づいた強みと課題を分析し、科学的根拠に基づいたトレーニングを積むことで、スポーツ科学を活用しながら成長できます。